エロそうでエロくない、でも少しエロい
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目次
基本情報
記事概要
水中をテーマに創作を行うサークル「FoxEye」の紹介を兼ねた、アドベンチャーゲーム「カリンの素潜り日記帳!Plus」のレビューとなります。
「FoxEye」は巧みな水中描写と息継ぎのシステムがユニークなサークルで、ゲーム性のある作品も多いです。
しかし難易度が高い作品もあり、やや人を選ぶ印象がありました。
その点、本作は非常に簡単な操作で遊べ、ボリュームも数時間程度。
サークルの特徴を手軽に感じられる、入門に適した作品と言えそうだったので詳しく紹介していきます。
ストーリー
ここはとある南半球の島国、ストリア島。
その島に属する小さな島『バラック島』で、カリンは生活の傍ら祖父・ジジの燃料鉱石採掘の手伝いをして暮らしていました。
昔は鉱業が栄えたバラック島も今となっては枯れ果て、ドリルでの採掘で採れる鉱石量は日々減っていきました。
カリンは泳ぎが得意だったので、海底に沈む燃料鉱石を集めたり、潜り漁をしたりして 楽しい海中ライフを楽しみながらジジの手伝いをしていたのですが、あまり深く潜るカリンを心配したジジは高性能なサポートロボットと潜るようにカリンに言いました。
その小型で水陸両用のロボットは『キューボ』と名づけられ、カリンを常に追跡し、海の中では漁を行い彼女がピンチになることがあれば確実に救命処置を実行する…それがあなたです。
カリンと共にストリア島を探訪する小さな冒険が始まります
本作に同梱のユーザーズガイドより引用
システム
本作では海に潜って魚を獲り、お金を稼いで全CGをコンプリートすればクリアです。
大まかな流れを順に紹介していきます。
海に潜る
本作で最も重要なのは、潜水でお金を稼ぐこと。これ以外にお金を入手する方法がありません。
潜水中は画面内に魚が出現し、これをクリックするとポイントを獲得。
海面に浮上した際、獲得ポイントに応じてお金が入手できます。
潜水中のカリンは自動的に潜り続けるので、魚を捕まえることにだけ専念すればOK。
ただし出現する魚すべてが加点される訳ではありません。
例えばイカを捕獲するとスコアー5%、イルカはー20%です。
マグロやキンメダイなど、捕まえずに放置することでより高得点を狙える魚もいるため、捕獲のタイミングも重要となります。
また潜り続けると当然、おぼれる可能性が出てきます。
潜水時間が長いほど獲得ポイントにボーナスが付きますが、おぼれた場合ペナルティとなります。
おぼれないギリギリのところを見極め、浮上を指示してあげましょう。
潜水を繰り返してレベルが上がると、より長い時間潜れるようになり、お金も稼ぎやすくなります。
撮影
稼いだお金はCG獲得に使います。それ以外の用途はありません。
CGは各エリアごとでちょっとしたストーリー形式になっています。
また、撮影には各エリア固有の水着が必要です。
エリアの拡大
移動可能なエリアを増やすには、各エリアでミッションをこなす必要があります。
ミッションはアイテムを必要数集めたり、特定のイベントを見たりすることで達成できます。
ミッション達成は新しい水着を獲得する条件でもあるので、優先的に進めましょう。
エロシーン
R15作品である本作に直接的なエロシーンはありません。
強いて言えば、ゲームを進めるほどヒロインは露出度の高い服装が可能になり、CGで溺れる描写や全裸など過激なシーンが解放されます。
本作の魅力
本作の魅力としては、まず簡単操作なのにある程度のゲーム性を手軽に楽しめる点があげられます。
そして水中をはじめとして随所に見受けられる細かなこだわりもポイントでしょう。
魅力1:手軽な操作性と適度なゲーム性
操作がクリックのみでゲームオーバーもなく、失敗を気にせずプレイできるのは本作の良いところ。
ゲームをプレイしながら覚えていけるので、長々とオープニングやチュートリアルを見るのが嫌いな人にはピッタリです。
操作が簡単といっても効率良くお金を稼ぐのは楽ではありません。
魚はランダムに出現するので、安定して高ポイントを得るにはゲームシステムを理解した立ち回りを要求されます。
具体的には水着の効果や海域ごとに出現する魚の違い、アイテムの効果と使いどころなどです。
魚8種、水着6種、アイテム4種なので覚えることはそれほど多くありませんが、数時間遊ぶには十分なボリューム。
こうしたランダム性と工夫できる範囲のバランスが、単調になりがちな操作に適度な面白さを追加しています。
魅力2:細部まで手を加えた綿密さ
細かい描写にこだわっているのも本作の魅力でしょう。
例えば水面に浮上したときの息継ぎシーンは水中での酸素消費量によって3段階に変化。
またエリアによって海中の背景も異なります。
全体的に岩場の海域が多いということと、海底にいる時間の方が長いため少し分かりにくいかもしれません。
海域の違いは潜水中のBGMが変わることでも表現されています。
ほかには露出度の高い服装では本来会えないキャラクターと、特定のイベントでは会話できたり。
この場合もしっかり会話差分を用意していて、こういう部分はエロゲーっぽい楽しさがあります。
感想:つい遊び進めてしまう楽しさ
いくら進めてもエロいことは起こらないと理解してましたが、それでもCGをすべて見てみたい欲求に駆られ、クリアしてしまいました。
プレイ時間は3時間前後。
クリアまで遊べる理由として、基本的にはユルい気分でプレイできるというのがひとつ。
操作は少なく、ミスしたときのペナルティも小さいので良くも悪くも緊張感がありません。
うっかり溺れさせてしまったとしても死ぬわけではなく、キューボであるプレイヤーが救命するので安心。
もう一つは「本作の魅力」で述べたように、目立ちにくい細部まで手が込んでいて、気分よく遊べたというのが大きいでしょう。
長年「水中」をテーマにした作品を生み出しているだけあり、ゴボゴボ音やCGの水中描写にはものすごくこだわっています。
こうしたこだわりが、何気なくプレイしていても「水の世界」を感じさせてくれるのでとても楽しいです。
潜水時の動画を貼っておくので、音や背景を確認してください。
R15作品の中でもエロや窒息描写がだいぶライトなので物足りなさがあるかもしれませんが、そこさえ理解しておけば買って後悔するレベルではないでしょう。
ちなみに困ったときはオフィシャルサイトで攻略情報が掲載されているので、進め方で悩む心配はありません。
3行でまとめ
細かい表現や描写が水中を体験させる作品
簡単かつ気楽に遊べるゲームシステム
エロやリョナ要素は薄い
リンク
他作品紹介
サークル「FoxEye」はお気に入りのサークルなので、この機会に過去にプレイした作品を紹介しておきます。
「カリンの素潜り日記帳」の紹介がイマイチ響かなかった人は、以下の作品から試してみるのもいいかもしれません。
BLUE GUARDIAN: Margaret
フィールドを探索したりボスを倒したりしてスキルを獲得しながら進めるエリアを拡大していく、いわゆるメトロイドヴァニア系のアクション。
水中の探索シーンが多く、一定時間水中にいると窒息してしまう緊迫感が特徴的です。
「衣服の着脱状態が毎回立ち絵に反映され、一部イベントは会話内容も変わる」「水に入るとドット絵の服が透ける」など、とにかく芸が細かい。
エロではクンニっぽい描写があり、リョナでは窒息死のCGが数種類あるなど、Rー17相当の表現なのでエロゲーマーでも納得の内容です。
操作性は良好なのでキーボードでもプレイできますが、アクション性は高めなのでゲームパッドの方がオススメ。
HOLDOVER - 残されし者 -
2009年に「15年前のPC環境を再現して」作られた真正のレトロゲーム。
こちらも水中探索がキモのゲームで、ヒロインの身体能力を強化しつつ施設からの脱出を図ります。
ファイルサイズは驚異の772KBという軽さですが、ボリュームは十分すぎるほど。
フリーゲームなのでこちらを入門として勧めたいところですが、死に覚え要素に加え操作性もシビアなため、難易度はかなり高いです。
この作品も脱衣状態が立ち絵に反映されますが、表現的にはRー15止まり。