フルボイスで堪能するショタ×ショタ
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目次
基本情報
ゲームの概要
ショタ×ショタ、という男性向けの中でもかなりマイナージャンルでありながら贅沢にもフルボイスで作られた「少年魔導士ミール」の紹介です。
ツクール製RPGですが、内容的にはほぼテキストを読み進めるだけ。
RPGとしては物足りませんが、非常にニッチなジャンルにフルボイスで作品を投じた意気込みだけでも評価できる作品です。
システム
見習い魔導士ミールとその師匠が使い魔を探しにマナが溢れる森を探索し、発見した村で予想外の事態が起きてしまう、という内容。
おつかいや会話イベントで進行していく、一本道のシナリオです。
限られたマップなので迷いはしないでしょうが、ゲーム性が薄いわりにユーザーに親切とは言えない仕様がいくつか見られます。
例えば1つの会話イベントがやや長めで、しかも切れ目なく次のイベントに移ることも多いためセーブのタイミングが難しい、などです。
フルボイスの影響かテキストスキップの速度も遅く、テンポ良く進めたい場合は少々面倒に感じるでしょう。
エロシーン
ショタ同士、かつ和姦オンリーです。
「体内のマナ量を調節するために精液としてマナを放出・注入してあげる」という治療の名目でエッチするのが基本のシチュエーション。
この際、魔導士がマナを注入すると対象に憑依し操作できる設定です。
シーン数は全部で11ありますが、登場キャラが8人いるので1キャラあたり1~2シーンと考えるとやや少なめ。
ただし差分は1シーンあたり5枚前後とそれなりで、ボイスを堪能すれば視聴に5分以上かかるくらいにはボリュームもあります。
感想:RPGでなければもっと良かった
まず残念ながら、RPGとしては非常につまらないです。
単調なおつかいや会話ばかりでゲーム性を感じません。
さらに前述のセーブタイミングが限られることに加え、常時ダッシュのON/OFF切替や音量調整、ボイスの有無を設定できないなどユーザーへの配慮も不十分です。
また操作キャラが切り替わる憑依の設定は「意識の乗っ取り」ではなく「元の人格と身体を共有する」もので、憑依状態だと主人公と元の人格、どっちの意思で話しているのか時々ハッキリしないです。
これがエロシーンで「愛を深めるセックスに第三者の意思が介在している可能性がある」という状況を生み出し、素直に読めないシーンが度々見られます。
この憑依設定はストーリーにもさして絡みまず、まるでRPGにするために無理に用意したかのような印象を受けました。
以上すべてをひっくるめ、なぜRPGという形を取ったのか理解に苦しむくらいにはゲーム部分の完成度が低いです。
一方でボイスは非常に力が入っています。
キャラクターの一部に多少属性の被りが見られるものの、およそ個性は分けられていますし演技にも不自然さはありません。
イベントシーン以外の会話も全てボイスが収録されているなど、その全力投球っぷりには脱帽します。
以上から、総じてエロシーン重視の抜きゲーです。
OP直後に回想部屋へ行ける救済措置が用意されているのでクリアしなくてもOKですが、ボイスを堪能するならプレイ推奨です。
余談ですが「ショタのゲイ表現含む」男性向けゲームは非常にレアで、2022年のDLsiteですら作品数は50に達していません。
その中で一定以上のイラスト水準に達したフルボイス作品となると本作しか残らない、という唯一無二な存在感も魅力です。
教養を深める意味で一度見てみるのもアリだと思います。