おっさんを攻略する18禁乙女ゲーム
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目次
基本情報
記事概要
「金のために鐘は鳴る」は、女性向け同人サークル「乙SUN倶楽部」の人気シリーズ。
主要な男性キャラがすべて中年男性という、女性向け作品としては少々変わったゲームです。
イケメンが登場せずホモ要素もないので「男性でも楽しめるのでは?」と考え遊んでみました。
男性向け作品とはエロシーンの趣向が違うので実用性には欠けますが、キャラクターや物語は魅力的な作品です。
ストーリー
黒豹人族(ワーパンサー)であるヒロイン「エヴァンジェリン・リリス」は、幼い頃からダークエルフの養父、ローガンに育てられる。
武器商人であり暗殺者である父に教わり、エバンジェリンはアサシンとして暮らしていた。
ある日エヴァンジェリンが住む街に、国の最大勢力「赤い蠍」の本拠が移動してくる。
混沌とした時代を生き抜くため、エヴァンジェリンは「赤い蠍」に取り入る決断をする。
そこで出会ったのは、かつてエヴァンジェリンの兄を殺し、母を犯した男だった・・・。
操作方法
Z、X、Space、左クリックなど:会話を進める(長押しで早送り)
Shift、Ctrl、Wキー:会話スキップ
F3:拡大
F4:全画面表示
F5:リセット
システム
全体的な流れとして、まず攻略対象の男性キャラに「上納」コマンドで金品を納め、イベントを進めます。
上納に必要な金品は「任務」コマンドで獲得可能。
任務の目的地によって獲得可能なアイテムが異なるので、目的のアイテムが獲得可能なエリアを選びます。
また目的地ごとに設定されているターゲットを達成すると、資金ボーナスに加えてステータスをアップできます。
余裕があれば狙ってみましょう。
任務は矢印を選択し、探索を進めるシンプルなもの。
ターゲットを達成するか、TPが尽きると自動的に撤退します。
トラップや敵を避けつつ、お金やアイテムを回収すると効率的です。
敵と遭遇した場合は全力でパートナーを頼りましょう。
強力な効果をデメリット無しで何度も使えます。
武器に毒を付与する、回復アイテムを購入するなどの事前準備もオススメ。
1キャラに6回上納すると攻略完了。
暗殺イベントが発生し、エンディングとなります。
ちなみにエンディング直前から再開すれば、周回せずともイベント回収が可能です。
エロシーン
主に上納時のイベント内で発生します。
回想に記録されるイベント数は44ありますが、そのうちエロシーンを含むものは30に満たないくらい。
シチュエーションは普通のセックスに加え、「監禁」「器具責め」「スライムによる疑似排泄」などのハードなプレイがあります。
ただし描写はかなり控えめで、男性向け作品ほどのハードさは感じないでしょう。
ヒロインより男性キャラのセリフ量が多く、心情を表現することに重点を置いているのが特徴的です。
魅力1:高水準のフルボイス
本作最大の魅力は、ヒロインを除く全キャラ「フルボイス」。
攻略対象はもちろん、サブキャラやモブにいたるまで全員ボイスがあります。
一般的に、同人作品でフルボイスに挑戦すると「声優の演技力が低い」「声優の使いまわしが多い」など、マイナス面が目立ちがち。
しかし、本作はサブキャラも含めキャストの演技力は一定水準以上。
作品の魅力としてしっかり貢献しています。
動画はあるルートでの暗殺イベント冒頭。
ほかにも公式サイトでボイスを視聴できるので、そちらもお試しください。
魅力2:全11のエンディング
本作はマルチエンドとなっており、暗殺イベント直前の選択肢と特定条件でルート分岐する仕様。
「暗殺に成功するが捕まる」「パートナーと逃亡生活」など、エンディングは全部で11あります。
エンディングによってキャラのさまざまな一面が明らかになるので、見れば見るほど面白い。
特にパートナーと生き残ったときに解放される「エンドエピソード」は必見です。
ハッピーエンドと呼べるものはかなり限られますが、それだけに印象的な結末が多め。
悲劇的な話に抵抗感がなければ、本作の物語は大きな魅力といえます。
感想:エロ目的でなければプレイする価値あり
エロシーンがすべて「美少女×おっさん」なのであればエロシーンも使えるかと期待してましたが、さすがに抜くには厳しかったです。
理由はいくつかありますが、男性目線で見たときのエロさを追求していないのが大きいでしょう。
例えば男性もしっかり描く分、女体を強調するような描き方がなされていません。
効果音がないので臨場感が薄いですし、絶頂時の演出もなく、盛り上がりに欠けました。
射精描写なんて無いに等しいレベルです。
あくまで「男性キャラを深掘りする」ためにエロシーンを使っている印象を受けます。
心情の描写に主眼を置いているあたり、やはり女性向け作品だと感じました。
一方、エロシーン以外の部分はほぼ満足。
特にキャラクターは魅力的で、クセの強いおっさんたちがだんだんヒロインに心開いていく様子は可愛げすら感じます。
キャストの演技力も高く、イベントでは純粋にキャラクター同士の会話を楽しめました。
欲を言えば、もう少しゲームそのものに面白さが欲しいところでした。
任務で上納に必要なアイテムを集める作業は、慣れてしまえば単調。
ユニークな戦闘システムを活かせていないのはもったいないと感じました。
男性には物足りない部分も色々あるでしょうが、エロゲーではなく青年コミック感覚で触れれば楽しめるはず。
ダークファンタジーやこじらせた恋愛モノが好きな人にオススメです。
ちなみに、前作は恋愛シミュレーションの色が濃く、本作とは違い「ほのぼの」とした雰囲気であることがうかがえます。
「ストーリーの薄さ」「資金集めの大変さ」などのマイナス評価も見られますが、キャラクターが魅力的なのは共通のようです。
3行でまとめ
ハイレベルなフルボイス作品
ちょっと切ない11のエンディング
エロさは薄いがキャラは魅力的