20時間はプレイしたけど全然遊び切れてない
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基本情報
作品概要
「雷神7」は、サークル「May」が発売ししている戦略シミュレーションゲーム。
発売は2011年ですが2016年までアップデートが続いており、2020年現在は「雷神8」の制作も進行中です。
艦隊戦をメインとした超本格的な戦略シミュレーションとなっており、ハマるとものすごく時間を奪われます。
ゲーム性に比べるとエロシーンはおまけ程度の内容ですが、世界観を演出するスパイスとしての役割を発揮しています。
戦記モノやSFな世界観、複雑なゲームが好きな人は気に入ること間違いなしです。
ストーリー
各シナリオごとにおおまかなストーリーがあり、それに沿ったイベントが発生します。
一番基本となる最初のシナリオ(ガンダムでいうところの無印)のあらすじは、ざっくり以下の通り。
※ニュアンスや解釈が違う可能性あり
人類が2つ目の移住可能な恒星系「イーズ」を見つけたころ、地球は「ア族」の独裁国家になっていた。
イーズ恒星系を調査していた「ツ族」はア族の独裁に異を唱え、新政権を樹立。
ツ族の軍事力・経済力が想定以上だったため、ア族とツ族はしばらく冷戦状態となった・・・。
時は流れ、3つ目の恒星系「セントラル」が発見されたころ。
太陽系を支配していたのはア族の族長、アスランだった。
しかし、族長が高齢となったア族陣営では後継者争いが深刻化。
跡継ぎとして最有力視されているのが、正室直系のアグデッパである。
後継者争いが過熱して困ったのが、側室の子であるアディスとアキ。
王位継承権を持たない二人だが、小さな派閥しかもたない彼らはアグデッパらに命を狙われる危険があった。
アディスの母親は子供の行く末を案じ、自らは処刑となりながらもアディスを太陽系から脱出させることに成功する。
これを受け、アキの母親も太陽系からの脱出を決意。
イーズ恒星系の新惑星バースへ親子で移住した。
同じころ、アスランと親しい地球の豪族ホウネンは、セントラル恒星系には豊富な鉱物資源があると気づき、アスランから惑星バルゴとホスエンを買い取り私領地化。
時を同じくして、ツ族の族長ツウガイもセントラル恒星系に進出。
惑星ゼファーを占領し、領地であると主張。
セントラル恒星系の覇権争いが激化していることを理解したアスランは、この機にツ族の打倒を決意。
自らを覇王と名乗り、ツ族討伐に乗り出す。
これに乗じ、惑星を私領地にもつ有力者たちも次々と「覇王」を名乗り、主権を主張。
宇宙の覇権をかけた争いが始まったのだった・・・。
操作方法
操作はクリックのみなのでシンプルです。
しかし情報量が多く、いきなりプレイしようとして何から手をつけていいのかわからないでしょう。
ここで操作を説明することも難しいので、実際にプレイしてみるのが一番。
まずは操作に慣れるため、「ビギナーモード」「イージーモード:ON」「シナリオ:SC70『敵は一族の内にあり』」「アスラン」あたりでプレイしてみましょう。
とくに「ビギナーモード」にすると本作特有のコマンドなどがグッと減り、操作がラクになります(モードの違いについてはマニュアル「FAQ」参照)。
さらに、アスランは圧倒的な国力を誇るのでどうプレイしても失敗しませんから、いろいろ試してながらでも簡単にクリアできます。
占領すべき惑星の数も少なくて済み、比較的短い時間でクリア可能です。
ただ、「人材が多すぎて訳がわからないよ」という場合はほかの勢力にしてしまうのもアリ。
その場合はツ族あたりがおすすめです。
わからなくことがあったらその都度、同梱されているマニュアルを見てみましょう。
マニュアルはインストール時、Cドライブに作られる「May」というフォルダ内にあります(ゲームのタイトル画面からも開けます)。
体験版にも同梱されていますが、マニュアルのみのファイルを置いておきます。
システム
詳細なシステムはここでは解説しきれないので、クリアまでのおおまかな流れを辿っていきます。
基本的にはすべての惑星を支配下に置けばクリア。
逆に、支配惑星をすべて失うとゲームオーバーです。
プレイヤー勢力の王が死んでも、後継者を選べればゲームオーバーにはなりません。
勢力を拡大するためには、国力を高めることが第一。
まず「防衛」「補給」「人事」などの担当者を配し、内政を任せます。
本作では内政が半オートなので、担当者を決めないと内政が動きません。
次に軍備。「艦隊司令官」を置き、艦隊の編成を決めます。
空母や駆逐艦、工作艦などの艦種があり、目的に合わせた編成が重要です。
司令官の能力や指揮できる艦隊数にも注意しましょう。
艦隊の配備が完了したら、適当な他国の惑星へ侵攻。
敵艦隊を蹴散らしましょう。
敵艦隊を排したら惑星へ地上部隊を降下させます。
敵防衛戦力が充実している場合、攻略には陸戦部隊を満載できる揚陸艦が不可欠です。
惑星の地上部隊を全滅させれば、晴れて侵略完了。
補給を済ませ、次の惑星を目指します。
また、後継者を作ることも王の重要な仕事。
妃や妾とは時々「オルド」コマンドでセックスしましょう。
子どもは、成長すれば士官としても役立ってくれます。
エロ要素
本作のエロシーンは「他人の女を無理やり奪う」場面が多く、陵辱・寝取りのシチュエーションがメインとなっています。
ただし、あくまで「群像劇」のなかのワンシーンという位置づけで、エロそのものはあっさりめ。
テキストも会話形式が中心で、凝った描写はほとんどありません。
登場キャラが多い都合上、固有イベント以外ではセリフの使い回しが結構見られます。
実用性はほとんど「無い」といえるでしょう。
しかし女性キャラごとにCGが用意されているので、枚数は豊富。
また、CG差分はほとんどありませんが妊娠差分や処女表現はきっちり用意されています。
特徴1:圧倒的ボリューム
本作のすごいところのひとつが、ボリュームの多さ。
まず登場キャラが豊富で、ざっと見ただけでも300はくだらないはず。
下手な商業作品よりも多いです。
また、幼少時と成人では顔グラが変化。
年齢によってステータスの増減も発生するなど、細かい芸も見られます。
また、シナリオ内のイベントも充実。
選択した陣営によって固有のイベントがあり、プレイすることで初めてさまざまな人間関係が見えてくることも。
戦略性を高めるコマンドも充実しており、遊ぶたびに違った展開が見れます。
何度でも遊べる奥深さは、シミュレーションゲームとしてはかなりのレベルです。
特徴2:骨太なゲーム性
もうひとつが戦略性の高さ。
特に「エキスパートーモード」はかなりプレイングが難しくなります。
たとえば、惑星を攻略するには「戦略会議」を開き、臣下とともに攻撃目標を決めなければ惑星に侵攻できなくなります。
さらに陣営内に「派閥」が登場。
特定の派閥が大きくなるとクーデターの可能性が高まるので、味方に対しても暗殺や引き抜きが必要になります。
実際に「エキスパート」でプレイすると面倒なシステムではありますが、こうしたリアルな要素を盛り込めていること自体が非常にユニークでしょう。
突然の裏切りや暗殺が起こる様子は大河ドラマや小説そのもの。
戦略シミュレーションに「人間ドラマ」や「予測できないトラブル」を求める人には打ってつけです。
感想:夏休みや連休を使って遊ぶべき
ひとまずビギナーモード+イージーモードで1シナリオをクリアしましたが、クリアには数時間かかりました。
そして2周目、今はミドルモード、イージーモード無しで同じシナリオに挑戦。
だいぶ難易度が上がり、10時間はプレイしました。
作品紹介でも「1プレイにかかる時間は5~20時間」とされており、落ち着いて遊べる環境は必須といえます。
しかも同じシナリオ、一部のキャラでしか遊んでいないので、見ていないイベントがまだまだたくさん。
もう2、3周くらいは全然遊んでもいいと思っているので、まだ20~30時間はプレイできそうな感じ。
そう考えると、これは相当やりこめるゲームです。
シミュレーションゲームって慣れてくると結構単調になる部分もあるんですが、良くできた作品だとその単調さが苦にならないんですよね。
だからついつい時間を忘れて没頭してしまう。
本作もそうした性質をきっちり持っており、非常に完成された作品です。
なかなかクリアできないので止めるタイミングがわからなくなるので、日曜日とかにはプレイしない方が無難だと思います。
<ハードルは高い>
しかし、そんなにハマるのは「慣れたら」の話で、初めてプレイする人にしてみれば、かなりしんどいゲーム。
多すぎるキャラ、さまざまなコマンド、複雑に思えるシステム・・・。
何度かプレイしてすればキャラは覚えられますし、システムも「最初の想像よりシンプル」だとわかるものの、初見の人は情報量の多さに頭が痛くなること間違いなし。
また、発売からかなり時間が経っており、わからないことがあっても質問できる場所がほとんどない点もハードルを上げています。
@Wikiでは現在もコメントが動いていますが、質問に回答が来るかどうかは運。
アップデートを繰り返した影響で、マニュアルとゲーム画面の間に若干の相違も見られます。
このように、はじめの時点でかなり人を選んでしまいますが戦略シミュレーション好きにはかなりおすすめできる作品です。
同人作品の中ではやや高めの価格ですが、むしろこの価格でこんなに遊べるゲームはそうそうないでしょう。
しかも本作、パワーアップキット(通称PUK)が発売されており、登場キャラやマップを大幅に拡張することも可能。
私は本体のみで遊んだレビューですが、機会があればPUKについての記事もかくかもしれません。
<体験版>
ちなみに、体験版ではミニマップで実際のゲーム同様にプレイ可能です。
戦略シミュレーションとしての面白さは薄いですが、システムを理解するには十分。
まずは体験版で慣れておくのもいいかも。
3行でまとめ
大ボリュームの戦略シミュレーション
時間泥棒注意
最初で挫折しないことが肝心